エニアグラムを活用したコンフリクト管理術
はじめに
営業課長として、チーム内での衝突や意見の対立を解消することは重要な役割の一つです。しかし、部下一人ひとりの性格や価値観が異なるため、すべての対立に同じ方法で対応するのは難しいものです。
そこで役立つのが、エニアグラム診断です。本記事では、エニアグラムの9つの性格タイプに基づいて、部下同士の衝突を和らげるための実践的なコンフリクト管理術を紹介します。
1. エニアグラム診断とは?
エニアグラム診断は、9つの性格タイプに基づいて人の思考や行動パターンを分析するツールです。それぞれのタイプは、対立や衝突が起きたときの反応が異なります。
- タイプ1(完全主義者): 正しさを重視するため、妥協が難しいことがあります。
- タイプ2(助ける人): 感情的になりやすく、他者からの承認を求める傾向があります。
- タイプ3(達成する人): 評価を気にするあまり、競争意識が強く出ることがあります。
- タイプ4(個性的な人): 自分の感情を大切にし、誤解されることを嫌います。
- タイプ5(調査する人): 感情をあまり表に出さず、理論的に解決したがるタイプです。
- タイプ6(忠実な人): 安全や信頼関係を重視し、予期しない変化に不安を感じます。
- タイプ7(楽観的な人): ネガティブな状況を避けがちで、対立を軽視することがあります。
- タイプ8(挑戦する人): 直接的に物事を伝えるため、衝突が激化することがあります。
- タイプ9(平和をもたらす人): 対立を避けようとするあまり、自分の意見を引っ込めてしまいます。
2. タイプ別コンフリクト管理の具体策
2.1 タイプ1(完全主義者)との対立解消法
- ポイント: 感情よりも論理的に話し合いを進める。
- 実践方法: 正しい点を認めつつ、柔軟な対応策を提案する。
2.2 タイプ6(忠実な人)との対立解消法
- ポイント: 不安を取り除き、安心感を与えることが大切。
- 実践方法: 話し合いの場を定期的に設け、安心できる環境を作る。
2.3 タイプ8(挑戦する人)との対立解消法
- ポイント: 正面から向き合い、正直に意見を伝える。
- 実践方法: 逃げずに率直なコミュニケーションを行い、お互いの期待値を明確にする。
3. コンフリクトが発生した際の対応手順
3.1 状況を正確に把握する
- 対立している部下のタイプをエニアグラム診断を用いて特定する。
- 具体的な問題や感情的なトリガーをヒアリングする。
3.2 対応方法を選定する
- **タイプ4(個性的な人)**の場合: 自分の感情を話せる場を提供し、誤解を解消する。
- **タイプ7(楽観的な人)**の場合: 問題から目を背けないように、具体的な解決策を提案する。
- **タイプ9(平和をもたらす人)**の場合: 積極的に意見を引き出し、安心して話せる場を作る。
4. 実際の職場での成功事例
ケーススタディ: 「タイプ3(達成する人)」と「タイプ6(忠実な人)」の対立を解消した例
- 課題: 目標達成を急ぐタイプ3と、慎重なタイプ6の間でタスクの進め方に対立が発生。
- 施策: タイプ3には短期的な成果を示す機会を、タイプ6には不安を解消する説明を丁寧に行いました。
- 結果: 互いのスタイルを尊重しつつ、バランスの取れたタスク進行が実現しました。
ケーススタディ: 「タイプ8(挑戦する人)」と「タイプ9(平和をもたらす人)」の対立を解消した例
- 課題: 積極的に意見を述べるタイプ8と、意見を引っ込めがちなタイプ9の間で意思疎通の問題が発生。
- 施策: タイプ9に意見を求める機会を増やし、タイプ8には聞く姿勢の大切さを伝えました。
- 結果: 対話の機会が増え、両者のコミュニケーションがスムーズになりました。
まとめ
エニアグラム診断を活用することで、部下のタイプに合わせたコンフリクト管理が可能になります。
営業課長として、部下同士の対立を予防し、適切に解消することで、チームの生産性と協力体制を高めることができます。
次回は、「エニアグラムを活用した人材育成方法」について解説予定ですので、お見逃しなく!