エニアグラム診断を使った採用・教育戦略
はじめに
企業の成長を支えるのは「人材」です。しかし、営業課長としては「どうすれば良い人材を見極められるのか?」「入社後、どう育てていけばよいのか?」と悩むことも多いのではないでしょうか。
そこで活用したいのが「エニアグラム診断」です。エニアグラムは、個々の性格タイプを9つに分類し、適性やモチベーションの源を明らかにするツールです。本記事では、エニアグラム診断を使った効果的な採用・教育戦略について解説します。
1. エニアグラム診断とは?
エニアグラム診断は、人の性格を以下の9つのタイプに分類します。
- 完全主義者(改革する人)
- 助ける人(献身的な人)
- 達成する人(成功を追求する人)
- 個性的な人(自己表現を大切にする人)
- 調査する人(知識を求める人)
- 忠実な人(信頼を重んじる人)
- 楽観的な人(楽しみを追求する人)
- 挑戦する人(リーダータイプ)
- 平和をもたらす人(調和を重んじる人)
各タイプには、それぞれの強み・弱み、適性、そして仕事における動機づけが存在します。
2. 採用時に活用する方法
2.1 エニアグラムを用いた面接のポイント
- 応募者のタイプを事前に診断
- 採用プロセスの初期段階でエニアグラム診断を実施します。
- 応募者のタイプを把握することで、面接時に適切な質問が可能になります。
- タイプごとの質問例
- 「タイプ3(達成する人)」
- 「これまでに達成した成果と、そこに至ったプロセスを教えてください。」
- 「タイプ6(忠実な人)」
- 「新しい環境で安心して働くために、職場に求めるものは何ですか?」
- 「タイプ8(挑戦する人)」
- 「困難な状況を乗り越えた経験と、その際の判断基準を教えてください。」
2.2 タイプ別の採用基準
エニアグラム診断をもとに、各タイプの特性を評価基準として設定します。
- 営業ポジションの場合:
- 「タイプ7(楽観的な人)」は、新規開拓営業で力を発揮することが多いです。
- 「タイプ1(完全主義者)」は、正確性が求められる管理業務に向いています。
- マネジメントポジションの場合:
- 「タイプ8(挑戦する人)」や「タイプ9(平和をもたらす人)」は、リーダーシップを発揮しやすいです。
3. 教育・育成におけるエニアグラムの活用法
3.1 新人教育プログラムの設計
- タイプ別に教育方法を最適化
- 「タイプ5(調査する人)」には、事前に資料を渡し、予習型の学びを提供
- 「タイプ2(助ける人)」には、ロールプレイングやペアワークを活用し、実践的な学びを促進
3.2 OJT(On the Job Training)の進め方
- 指導方法をカスタマイズ
- 「タイプ4(個性的な人)」には、自由な発想を尊重し、提案を促すスタイルが効果的
- 「タイプ6(忠実な人)」には、段階的な指導と明確なフィードバックが有効
- モチベーションの維持方法
- 「タイプ3(達成する人)」は、数値目標や達成感を感じやすい目標設定が効果的
- 「タイプ9(平和をもたらす人)」は、穏やかなコミュニケーションと安定した環境の提供が重要
4. 実際の成功事例
ケーススタディ:「タイプ7(楽観的な人)」の育成
- 課題:変化を求めすぎて、業務に集中できない
- 対応策:短期的な目標を設定し、定期的に新しいタスクを提供
- 成果:楽しみながらも集中力を維持し、営業成績が20%向上
ケーススタディ:「タイプ1(完全主義者)」の採用
- 課題:面接時に慎重すぎて、自信が見えにくい
- 対応策:具体的な実績や成功体験を質問し、自己アピールを引き出す
- 成果:入社後、正確性を活かしたバックオフィス業務で高評価を得る
まとめ
エニアグラム診断を活用することで、採用から教育・育成までの一貫した戦略が可能になります。
特に営業課長としては、個々のメンバーの特性を理解し、最適なポジションに配置することで、チーム全体のパフォーマンスを向上させることができます。
次回は、エニアグラムを使った「チームビルディング」や「モチベーション管理」について深堀りしていきますので、お楽しみに!